封筒に「御中」と書くのは、会社や部署などの組織に送るときです。担当者個人に送るなら「様」を使います。同じ宛先に「御中」と「様」を両方付ける必要はありません。
迷ったら、宛名の最後が「組織」なのか「人」なのかを見てください。たとえば「人材開発室」までなら御中、「人材開発室の佐藤さん」まで分かるなら様です。
この記事では、応募書類や大学への提出書類にも使える宛名の書き方を整理します。文中の会社名・部署名・人名は記入方法を示す架空の例です。実際に書くときは、提出先が案内している正式な宛先に置き換えてください。
まずは「御中」と「様」を宛先で選ぶ

書く前に、誰に届けたい封筒なのかを決めましょう。会社へ送る場合でも、担当者を指定するかどうかで敬称は変わります。
届けたい相手 | 宛名の記入例 | 敬称 |
|---|---|---|
会社全体 | 株式会社みなと企画 御中 | 御中 |
会社の部署 | 株式会社みなと企画 人材開発室 御中 | 御中 |
名前が分かる担当者 | 株式会社みなと企画 人材開発室 佐藤花子 様 | 様 |
名前が分からない採用担当者 | 株式会社みなと企画 採用ご担当者 様 | 様 |
大学の窓口 | ○○大学 キャリア支援課 御中 | 御中 |
「採用担当者」という呼び方は、人を指しています。そのため、氏名が分からなくても「採用ご担当者様」と書けます。一方、「採用担当部署」へ送るなら、案内された部署名に御中を添えます。
「御中」と「様」は重ねない
「株式会社みなと企画 御中 佐藤花子様」のように、会社と個人の両方へ敬称を付ける書き方は避けましょう。担当者宛てなら、会社名と部署名の後に氏名を書き、最後を様で結びます。
日本郵便も、企業宛ての正式な表記では会社名を略さないことや、御中と様を重複させないことを案内しています。会社名を「(株)」と省略せず、案内された表記どおりに書くと確認しやすくなります。
出典:日本郵便「封筒の表書き・裏書きの書き方」(2026年9月14日閲覧)
担当者名を推測で書かない
以前の説明会で会った社員が、今回の書類の受取担当者とは限りません。提出案内が「採用事務局宛て」なら、その指定に従ってください。
担当者の名字しか分からない場合も、氏名を検索して推測で補うのは避けましょう。案内メールの署名や募集要項を確認し、それでも判断できなければ部署宛てにするか、提出先へ問い合わせます。
よくある質問
Q「採用担当者御中」と書いてもよいですか?
担当者は人を指すため、「採用ご担当者様」が自然です。部署へ送るなら、正式な部署名に御中を添えましょう。
Q会社名にも部署名にも御中を付けますか?
重ねて付ける必要はありません。「株式会社みなと企画 人材開発室 御中」のように、届けたい組織名の最後に付けます。
Q返信用封筒に最初から「御中」と印字されています。直しますか?
その封筒で返信する相手が組織なら、基本的にそのまま使えます。御中を消して、さらに同じ敬称を書き加える必要はありません。
Q宛名を印刷してもよいですか?
提出先から手書きなどの指定がなければ、印刷も選択肢です。切れた文字や小さすぎる文字がないか、印刷後の封筒で確認してください。
縦書きの封筒は、宛名全体を先に組み立てる

縦書きでは、住所・会社名・部署名・担当者名のまとまりを考えてから書くと、末尾の敬称が窮屈になりにくくなります。長い宛名を一列に詰め込む必要はありません。
部署宛てに書く場合
たとえば、送り先が「株式会社みなと企画 人材開発室」の場合は、会社名と部署名を読みやすい位置に配置し、部署名の末尾に御中を添えます。
以下は記入する内容の例です。実際の封筒では、右から左へ縦の列として配置します。
- 住所の列:案内された所在地・建物名・階数
- 会社名の列:株式会社みなと企画
- 部署名の列:人材開発室 御中
会社名が短ければ、部署名と同じ列にまとめても構いません。大切なのは、どの会社のどの部署へ送るのかが読めることです。御中を入れるために部署名を省略すると、かえって宛先が分かりにくくなります。
個人宛てに書く場合
個人を指定するなら、部署名の後に担当者名を置きます。この場合は御中を付けません。
- 会社名:株式会社みなと企画
- 部署名:人材開発室
- 担当者名:佐藤花子 様
長い会社名や部署名を書くときは、別紙に一度並べてみましょう。最後の「様」だけが小さくなったり、封筒の端へ寄ったりするのを防ぎやすくなります。
横書きでも、御中を使う条件は同じ
横書きにしても、組織宛てなら御中、人宛てなら様という考え方は変わりません。横書き用の封筒や指定ラベルがある場合は、その形式に合わせます。
組織宛ての記入例
住所の下に会社名を書き、続けて部署名を置く形なら、送り先の情報を順に確認できます。
会社・部署宛ての例
株式会社みなと企画
人材開発室 御中
担当者宛ての例
株式会社みなと企画
人材開発室
佐藤花子 様
ここでも、会社名の後に御中、氏名の後に様という重ね方はしません。部署名と氏名を同じ行にまとめる場合も、最後は「佐藤花子様」です。
指定ラベルがあるときは、書き直す前に案内を読む
企業や大学が宛名ラベルを配布している場合、受付番号やバーコードが含まれていることがあります。「一般的な見本と違う」という理由だけで、独自の宛名へ作り替えないようにしましょう。
ラベルの貼り付け位置や印刷倍率などの指示があれば、それも確認します。読みやすさだけでなく、提出先が指定した方法で受け取れることが大切です。
返信用封筒の「行」「宛」はどう直す?

返信する相手の名前に「行」「宛」が付いている場合は、それを二重線で消し、組織なら御中、個人なら様に直すのが一般的な慣行です。
行や宛は、送り手が自分宛ての封筒を用意するときに使う表記です。あなたが返送するときは、その相手に対する敬称へ置き換えます。
印字された宛先 | 返送時の表記 |
|---|---|
○○大学 キャリア支援課 行 | 行を二重線で消し、御中を添える |
株式会社みなと企画 人材開発室 宛 | 宛を二重線で消し、御中を添える |
株式会社みなと企画 佐藤花子 行 | 行を二重線で消し、様を添える |
訂正は、元の文字が分かる程度に
文字を何度も塗りつぶすより、二重線で消して余白に敬称を添える方が読みやすくなります。縦書きなら縦方向、横書きなら横方向の線を使うなど、周囲の文字と区別できる形に整えましょう。
線の方向だけにこだわるより、「行が取り消され、御中に置き換わった」と分かることを優先してください。住所や管理番号まで消さないように気を付けます。
自分の書き間違いの訂正とは分けて考える
返信用封筒の「行」を直すことと、会社名の誤字を直すことは別です。自分で用意した封筒の宛名を大きく書き損じた場合は、予備があれば書き直すと見やすく整えられます。
ただし、専用封筒や番号付きの封筒を勝手に別のものへ替えるのは避けましょう。提出先の指定に沿うことを優先し、不明なら扱いを確認してください。
敬称で迷ったときの確認手順

封筒の前で迷ったら、提出案内を開き、宛先の末尾から確認します。以下の順なら、必要な情報と敬称を混同しにくくなります。
- 今回の提出先の住所を確認する。本社と採用窓口が同じとは限りません。
- 会社名・学校名・部署名を、案内と一文字ずつ照合する。
- 個人宛ての指定があるか確認する。
- 組織宛てなら御中、人宛てなら様を選ぶ。
- 指定された提出方法や必要書類を確認する。
たとえば会社名の後に「採用窓口」と書かれているなら、組織としての窓口に宛てる形かを確認します。「採用ご担当者」と指定されていれば、人に向ける様を使います。似た言葉でも、指している対象を読むと判断しやすくなります。
誤って送った場合は、影響を分けて考える
敬称の表記と、宛先の住所や提出書類の不足では、対応の必要性が異なります。御中と様の書き分けだけを間違えたからといって、選考結果が決まると断定することはできません。
一方、別の住所に送った、必要書類を入れ忘れたなど、提出そのものに影響する可能性がある場合は、提出先に状況を伝えて対応を確認しましょう。事情を隠して同じ書類を何通も送り直すと、受け取る側も扱いに迷います。
確認時は「何を、いつ、どの宛先へ送ったか」を整理します。敬称の説明に時間を使いすぎず、提出先が判断するための情報を伝えてください。
最後は「誰に届くか」を見直そう
御中の書き方は、届けたい相手が組織か人かを確認すると整理できます。縦書き・横書きのどちらでも、その判断は同じです。
発送前は敬称だけでなく、住所、正式名称、担当者の指定を見直しましょう。見本を丸ごと写すのではなく、あなたが今回案内された宛先に合わせて仕上げてください。